血管性の認知症

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血管性の認知症とは?

・年齢に関係なく脳内外の血管障害*1に起因して起きる認知症の症状
アルツハイマー認知症や老人性認知症とは全く異なる
 →観察で明らかに違いが判る
・外因性の認知症*2や内因性の認知症*3とも似ている
 →しかし行動心理を理解する上では重要な違いではない*4
  鑑別は医学の仕事です

そもそも認知症って何なのさ?

・一旦獲得した知能が
・脳が何らかの損傷を受ける事により
・(アルツハイマー型では)全般的に慢性的に
 (血管性や外因性では)部分的に
 (さらに脳梗塞では再発しやすい*5ため)段階的に
・日常生活に支障を来す症状のうち
・非器質性の精神疾患を除外した
・症候群
。。。と定義されているらしい


※行動心理的には
 認知(Cognition)と記憶(Memory)を含む脳の機能が
 障害されているために
 知覚(Perception)と行動(Action)に影響を及ぼす状態
 。。。と考える事ができる

発症と経過

多くの場合は段階を追わない*6
脳出血の場合:「フライパンで殴られたのかと思う」ような痛みがある(らしい)
・その他の場合:頭痛, 吐き気, 目眩, 気分がすぐれないなどの自覚症状がある(らしい)
・脳の損傷部位が関わる機能*7が影響を受ける
 →例えば
   後頭部:視覚障害(視空間無視や失認)など
   左側頭部:左半身聴覚, 聴覚以外の右半身知覚, 右半身運動機能に障害, 失語*8
   右側頭部:右半身聴覚, 聴覚以外の左半身知覚, 左半身運動機能に障害, 失行, 失認, 左側視空間無視
   前頭部:前頭葉症状*9など
・損傷部位に関係する記憶の一部が失われる
・損傷部位と関係が薄い機能には影響が起きにくい
 →そのため当人は非常に強いショックを受ける(障害を持った事を認知できる)ケースが多い

治療法

発症から治療までの時間経過が短いほど予後は良好となる*10
脳梗塞の場合:最近は低侵襲*11
        X線透視下でバルーンカテーテルによる術式
脳出血の場合:出血部位の治療が必要
        クランプしたり血腫を除去したり

予後QOLの向上のために

・根気強いリハビリが必要となる*12
 →当人と周囲(特に家族やパートナー)にやる気が無いと続かない
・失われた機能や能力を取り戻すだけでなく
 失われていない機能や能力(いわゆる「残存機能」)を
 最大限活用できるような環境づくりをしなければならない
 →過剰援助が当人の残存能力を奪う事もある
  特に外部の人的資源を使う時には気をつけるべき*13

個人的に思う事

私の母は脳動脈瘤破裂によって*14
左脳の一部が損傷したために
右側に若干の麻痺があり運動失語もあり
一部ADL困難ではあるものの


洗濯にはこだわりがあるらしく
私と違って努力の人なので
干すのも畳むのも誰の助けも借りないでできる



オカン
長生きしておくれ

*1:脳梗塞(脳血栓と脳塞栓)による血流の停止, 脳出血などの脳血管損傷によってできた血腫による変形, 硬膜下出血やクモ膜下出血なども

*2:頭蓋骨陥没など「脳という器官」の外で起きた事に起因する脳損傷を原因とした認知症

*3:例えば脳腫瘍などによる脳組織の変形を原因とした認知症

*4:損傷がどこで起きたかが判っても元には戻らないため

*5:血栓(脳血管内壁の付着物で栓ができる)と脳塞栓(心臓の弁の付着物が栓になる)は高コレステロール血症が原因の一つとされている

*6:ただし脳塞栓の場合や脳内出血を繰り返す場合などは再発を警戒するべきである

*7:脳機能局在論の話は後日改めて

*8:運動失語(ブローカ失語:発語ができない)と感覚失語(ウェルニッケ失語:聞いた事が理解できない)

*9:とても興味深いのだけど後日改めて

*10:余談:脳の手術は職人芸なのでイイ外科医かどうかがカギ(らしい)

*11:手術で切る部分が少ないので臥床期間が短縮できる

*12:失行や失認が深刻な場合にはリハビリが理解できないケースもありうる

*13:そしてホームヘルパーは手を出し過ぎてはいけない。手出しをしないくらいがちょうどイイと思う(私の経験上)

*14:親族には女性の, 周囲には男性の認知症の人が多い。ウソのようだと思われるかもしれないけどウソだったらどれほど幸せだろうか