異食
前回(http://d.hatena.ne.jp/yasunoxx/20100227/1267282511)は
少し歯切れが悪い書き方になってしまった*1
ので
改めて書いてみる
異食に到る心理の考察
食品以外のモノを食べるのが
「異食」と呼ばれる行動である
(これも観察者目線の呼び方である)
・特定することなく
目に付いたモノの中で食べられそうなモノを
口に入れる場合
→食欲を満たそうとする行動と
考えられるならば
食べ残しが出るのを想定した量の食事を供し
普段の食事量が足りているかどうかを確認してみる
→ストレスによる食行動かもしれない*3
低カロリーの麩菓子などを
いつでも食べられるようにしてみては
どうだろうか?
・特定のモノを口に入れる場合
→そのモノorそのモノに似ている食品に
拘りがあると考えられる
こんなケースが実際にあった
細切れにしたティッシュペーパーを食べる人が居た
雪が降った時に外出を要求したので
晴れ間に同行して外出したところ
つもった雪を手で掬って食べた
その人の中では
「冷たい雪のような氷が食べたい」という心理が
ティッシュペーパーを細切れにして
雪を作って食べる行動に繋がったのかもしれない
そこで
間食にかき氷を供してみた所
喜んで食べてもらえた上に
ティッシュペーパーを食べる行動が無くなった
その他
千枚漬けやポテトチップスのような食べ物も
有効だったかもしれない*4
・何らかの行動の延長線にある結果として
口に入った場合
→塗便がみられる人の場合
手に付いた便を落とそうとして
舐め取る事がある*5
同じように
手芸活動の中で粘土をこねたり
料理の過程で材料をこねたりする時に
手をきれいにしようとして
舐める事がある
・その他
→介護者や他者の気を引くための行動である場合もある
対処法の考察
施設によっては拘束する場合もある*6ようだが
大事なのは
・その異食が誰にとって問題になるのか?
→尿取りパッドなど
水分を吸収するモノであれば
当事者の健康を害する恐れがあるが
拘束して異食が収まっても
叫声など別のBPSDを引き起こす恐れがある*7
→ティッシュペーパーなど
ある程度の清潔が保たれているモノであれば
状況を見守りつつ
代わりになる食品を見つける事が
できるかもしれない
・口に入れているモノの代わりになる食品は無いか?
→前回の記事で挙げたのは
食便する人のケースで。。
オニギリや固めのゼリー寄せ
間食として安倍川餅やボタ餅といった
手づかみすることが出来る*8食事を供した
トイレはセンサーマットを使って
見守りを行う事で
食便する機会を減らす事ができた
手で食事を捏ねる行動は残ったのだが。。
食便よりは遥かにマシなので
結果としては良かったんじゃないだろうか?*9
*1:移動中にケータイで書いたのだった。例示や推敲が足りない文章を人目に晒すもんじゃないなと反省
*2:オヤツタイム(candy time)は全ての人にとって重要だ。高齢者にとっては水分補給のチャンスでもある
*3:例えば夕食をしっかりと摂ったのに寝る前に菓子を食べてしまうという事は無いだろうか?(私にはある)
*4:この人は既に亡くなっている
*5:モノが便だからといって安易にスカトロジーと結び付けてはならない
*6:拘束すれば当然収まるだろう。けれども当事者にとって状況が良くなるわけではない
*7:施設によっては抗不安剤や睡眠導入剤で静かにさせていたりする。当然動きが鈍くなり廃用症候群が加速する。尊厳などない最悪の対応だと思う
*8:当然の事だが配膳時には箸やフォークを出す
*9:この人も既に鬼籍