『筆は一本也、箸は二本也』

休日
宅配便を受け取り
さて出かけようとすると
ガスメーターの交換との事
ついさっきまで終わるのを待っていて



あれ
これって
筆は一本箸は二本っていうアレだ



と思ったので
斎藤緑雨の作品をパラパラと読み返してみたり

エモンを字の如くイモンと讀んで衣に附けた紋と心得て居た小説家があつたさうだが、或若い御新造が羽織を幾枚こしらへても、實家の紋を附けるのを隣の老婢が怪んでたづねると、良人と儂は歳の十幾つも違ふのですもの、永く役に立つやうにして置かねばと何でも無しの挨拶に、流石おせつかいの老婢もそれはそれはで引下つたさうだ此處迄来れば憾みは無い。

(ソース:斎藤緑雨「ももはがき」明治36年10月20日)


緑雨は
読んでいて楽しい
同じ時代を生きていたとしたら
仲良くなれたかもしれない